こんにちは。
住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。
健美家さんのコラム↓
「フラット35」不正利用、一括返済など厳重に対処。狙われたのは20~30代前半の単身会社員、融資総額33憶円。
住宅ローンの「フラット35」の不動産投資問題。
昨年から不正融資に関する調査が進められ、昨年12月の住宅金融支援機構の発表では、
162件の不正融資が見つかり、金額にすると33憶円との事です。
当NPOにも相談が寄せられていますが、早く問題が収束に終わることを切に思っています。
ご相談の多くは、このコラムにもあるように、
事業者グループ(複数の紹介者や不動産仲介業者、売主不動産業者、サブリース事業者)
が不動産に無知な人達を言葉巧みに物件を住宅ローンで買わせたことによる、
オーバーローン状態の債務の相談です。
そして「住宅ローンを組んで不動産投資をしてはいけない」
ということの重要性をしっかりと認識していないという点が不正利用を拡大させた大きな原因の一つだと思います。
では、住宅ローンで不動産投資をしてはいけない理由はなんでしょうか?
まとめてみました。
まず、大原則として、
■住宅ローンは、「本人または家族が住むための家」に対して融資されるものです。
そのため、原則1人1期間までで複数組むことはできません。
家を何軒を持っているような富裕層は別ですが、基本的には家は1家族に1軒で、
夢のマイホーム、人生で一番大きな買い物と言われています。
■住宅ローンを貸し出す金融機関は、
返済できるであろう属性の人に融資し、
生涯にわたり住む住宅購入に対する融資ということで、滞納の可能性が低く、
①貸し倒れリスクが少ない
②不動産に担保を付けるので返済が出来なくても回収ができる
③団体信用生命保険に入ることがほとんどのため、何かあっても保険で回収できる
というメリットがあります。
そのため、低金利で貸し出しをしても回収不能になるというリスクが低いという点から、
通常の融資に比べて、金利が低く設定されているのです。
さらに国の制度自体も住宅ローンを組みやすくしています。
それが、住宅金融支援機構のフラット35です。
民間の金融機関が取次店となり、手続きを行い、融資債権を国に買い取ってもらうという形式を取っているもので、
長期間固定金利での貸し出しが可能となり、人気の住宅ローンです。
■住宅ローンで不動産投資をしてはいけない理由は、住宅ローンを借りる際に金融機関と取り交わす
金銭消費貸借契約書
に定められています。
金銭消費貸借契約書とは、お金を借りる契約です。
その契約書に書かれている内容の
①ローン契約の目的
自らかその家族が居住するための家の購入資金での使途に限定する。
借り入れ後に変更する(住宅ローンの融資対象物件を賃貸物件とする場合等)場合は、
あらかじめ銀行の承諾を得るものとし、銀行が承諾した場合には銀行の指定する他のローンへの切り替え等
の銀行の銀行所定の手続きが必要となる場合には当該手続きを直ちに行う。
②期限の利益の喪失
借主について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、借主は本債務全額について当然に期限の利益を失い、
借入要項記載の返済方法によらず、直ちに本債務全額を返済するものとします。
が問題になります。
特に②の「期限の利益の喪失」事項は、ローンを滞納したり、破産手続きをしたり、
ローンが払えなくなった場合はもちろんですが、①の契約の目的に違反した場合や、
住所変更等を怠った場合、申込内容に虚偽があった場合も含まれます。
つまり、住宅ローンで投資物件として賃貸に出した場合は、住宅ローンの金銭消費貸借契約に違反しているので、
分割で何十年という返済期限があるローン返済ではなく、「期限」という「利益」が「喪失」され、
借入金を「一括で返済しろ!」となるわけです。
■ここで問題なのが、一括返済しろ!と言われた時にオーバーローン状態ということです。
投資不動産への融資との違いは、
通常の不動産投資へ融資は、「物件の担保評価」を審査して、貸し出せる金額が決まりますが、
住宅ローンの場合は、「債務者本人の属性(年収、勤務先等)」を重視して審査をします。
「物件の担保評価」 < 「債務者本人の属性」
で融資がされてしまうという点に、今回の問題が深刻化した理由があると思います。
つまり、物件の評価を重視していないため、物件の価値が住宅ローンより低くても、
債務者本人の属性が返済比率をクリアしていれば融資がされてしまいます。
そのため、今回のような事業者グループが実際の不動産価値よりも売買代金を高く水増しした場合、
簡単にオーバーローン状態の融資が完成してしまうわけです。
そうなると、債務者本人はもちろん、債権者は上記の貸し倒れリスクが大きくなり、
債務者、債権者どちらも大きな損失となります。
利益を取るのは、「事業者グループ」だけ。許しがたい事実です。
ただし、債務者本人も「知らなかった」では済まされない状況でもあります。
悪意があれば、詐欺罪や文書偽造で金融機関から訴えられる可能性もゼロではありません。
ただ、このような犯罪になるのは相当悪質である場合のようですので、まだ刑事事件になった事例はないようです。
■問題解決。
まずは正確に状況を把握することです。
そして、解決方法は何かあるか、選択肢を探ることです。
事業者グループを責めても、金融機関に対する返済は待ってくれません。
どのような解決方法があるかは、さまざまです。
一括請求が来てからだと、もう解決方法は限られてしまいます。
問題になる前にできる事を検討し、少しでも良い方法を模索するべきです。
住宅ローンで不動産投資をしてしまい、どうしたらよいか?
というご相談はお気軽にお問合せ下さい。
無料相談ですが、お役に立てるようなアドバイスを行っています。
必要に応じて弁護士等の専門家もご紹介させていただいております。
冒頭にも申しましたが、この問題のいち早い収束と住宅ローンの健全な利用が行われることを願います。
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