こんにちは。
住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。
今日の日経新聞の5面↓
三井住友銀行の子会社であるSMBC信託銀行が10月、
名古屋市内の拠点でひっそり始めた業務。
それは、不動産の売り手と買い手をつなぐ仲介ビジネスだという。
中小不動産会社などに配慮するため、同行は3月に
全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)と「合意書」を締結。
仲介取扱店の拡大に際し事前に全宅連に相談し、取引相手は、
富裕層や大企業などの大口い絞るといった内容とのこと。
この問題は、以前から銀行などの金融機関が不動産仲介ビジネスに
参入しようとしていますが、不動産協会などが反発している問題です。
低金利時代の薄利多売の銀行は、不動産仲介ビジネスでの
売主3%、買主3%の手数料が魅力的であるので、不動産仲介解禁を
金融庁に規制緩和を求めているのです。
信託銀行と異なり、地方銀行などの普通銀行が不動産仲介をするには、
法改正が必要だからです。
この記事では、不動産業者の手数料囲い込み問題が、
顧客に不利益をもたらすのでは?と警鐘を促しているが、
そこで金融機関が不動産仲介ビジネスに参入する方が、
広い意味での囲い込みが発生するのではないか?と個人的に感じます。
■金融機関は、不動産にお金を貸して利益を得る。
■不動産業者は、不動産を売買したり仲介して利益を得る。
餅は餅屋。
という言葉がありますが、金融機関が不動産ビジネスに参入したら、
それが一緒になるわけで、不動産業者は仕事を失うことになるのではないでしょうか。
確かに不動産業者の囲い込み問題は深刻です。
問題になってから改正がされたか?というと、はっきり言って現場はほとんど変わりません。
ですが、この問題と金融機関が不動産仲介ビジネスに入り込むというのは、
論点が違うように思います。
また、不良債権不動産なども担保に入れている金融機関が仲介できることになれば、
独占業務になり、任意売却等を行う不動産業者は淘汰されていくでしょう。
そこには、金融機関の不動産評価のままに融資がされ、最悪それが
不良債権となったら、売却をして手数料を取られ、債務超過な場合は、
債務が残り、払い続けるか、破産するか、
と所有者の意思など反映されずに、取引されることになりかねない状況です。
それであれば、不動産担保の融資に関しては、
ノンリコースローンにするべきであると私は思います。
※ノンリコースローン・・担保となっている資産(不動産)のみが請求対象となり、
それを超える負債額を請求されることがない。弁済不能となった部分は貸付を行った債権者が負担する。
不動産業界の囲い込みは、改善すべき問題ですが、
金融機関が不動産仲介ビジネスに参入することは、囲い込み問題以上の
問題になるのではないかと思っています。
でも、現状維持というのはいつまでも続かず、
常に時代の流れを察知し、業界の変化等についていく洞察力と行動力が必要ですね。
どんなに経験を積んでも、年齢を重ねても、
既成概念にとらわれて時代に取り残されていかないようにと心がけたいです。
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