こんにちは。(〃∇〃)
住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。
発行前から注目していた本を予約して、速攻で読んでしまいました。
熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録/双葉社
¥1,470
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大王製紙の前会長
井川意高氏の懺悔録。
記憶に新しい2011年11月に会社法違反(特別背任)
で東京地検特捜部に逮捕。
その後裁判で懲役4年の判決。
現在服役中です。
大王製紙の子会社から総額106億8000万円を借り、
カジノで私的に使用、結果55億3000万円の損害を与えた。
(判決が出る前に完済済み)
当時、テレビで見たとき、衝撃を受けたのを覚えています。
それまで大王製紙という会社、井川家の歴史など
そんなに詳しく知らなかったが、その額の多さと、なぜそんな
大金を簡単に借り入れることができたのか?
そして、カジノで全部使ってしまうなんて・・愚かだな。。と
思っていたのです。
この本は懺悔録と書かれていましたが、私は懺悔というより、
釈明本のように感じました。
カジノ、私もやったことがありますし、ハマる気持ちもわかります。
(本当に少額を賭ける程度ですので比較にはなりませんが・・)
勝った時の高揚感、負けた時の悔しさ、そして取り返してやるという
根拠のない自信。そして興奮状態。
この本の中にも書いてあった表現がまさに!という感じでした。
カジノのテーブルについた瞬間、私の脳には、
アドレナリンとドーパミンが噴出する。
勝った時の高揚感もさることながら、負けたときの悔しさと、
次の瞬間に湧き上がってくる「次は勝ってやる」という闘争心が
また妙な快楽を生む。
本の前半は、著者の半生が詳しく書かれていて、仕事には厳しく、
努力家だったことがうかがえました。
それが事実だったら一生懸命仕事をしていた社員さんたちは
どんな気持ちだったのだろう・・・ 相当落胆したり、裏切られた気持ちで
やる気を失ったのではないだろうか?と想像してしまいました。
そして、沢山の芸能人とのエピソードも実名で書かれています。
良いことを書かれている芸能人は良いけど、悪いこと、別に本書とは
関係ないのにこんな事書かれちゃって迷惑じゃないの!?と
思う人もいましたが、とても面白かったです。やっぱり世界が違うのだなぁ。と。
自分が悪い、なにも言う立場にない。
という前置きがあるが、批判するところは痛烈に批判し、
否定するところは否定、そして、井川家の批判に対する記事には
明確に事実を伝えようとしているのがわかりました。
どうしても二代目、三代目の経営者は、
ボンボンだから、
努力もしないで、
とか誤解を受けたり、偏見で見られやすいように思います。
でもその環境は別にその人のせいではないし、
それだからこそ、凡人にはわからない努力をしていたりする。
そのプレッシャーや努力は凄まじいと思います。
どうしても貧しい環境からの成り上がり。という方が、
すごい人間のように思われたり、脚光を浴びやすかったりするけど、
その経歴は人それぞれ。
金持ちだから幸せ、貧乏だから不幸せとは限らない。
何事も偏見は良くないですよね。
相当な失敗を犯してしまったとは思いますが、
刑期を終えた後、その失敗をどのように生かし、生きていくのか。
私には関係ないことですが、期待したいと思います。
この本の印税は、全額福祉事業団体に寄付されるそうです。