住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。
この間の週末、久しぶりに友人とランチに行った時のこと。
お互いの近況を話すなかで、彼女の住宅ローンの話になりました。彼女は目下、35年の住宅ローンを返済中です。金利は変動型。それゆえに、「金利上昇」のニュースには以前から関心を持っていました。
予想はしていたものの、やはり彼女の借りている金融機関でも最近変動金利の利上げが決まったとのこと。
「でも、上がったと言っても結局0.2%くらいの上昇だったの。金額にして毎月1000円ちょっとアップするくらい。あんなにいろんなニュースが飛び交って不安に思っていたけど、なんか…拍子抜けした」
この彼女の言葉が別れた後もなんとなく耳から離れず、いろいろと考えてしまいました。
大々的に報じられるニュース。しかし一方で
先日、このブログにも書きましたが(「いよいよ変動金利引き上げ! しかしそれ以上に注意する点があります」2024/10/7)、「金利上昇」についてはさまざまなメディアで大きく報じられました。
「一体、いつからどのくらい上がるのか? ローンを払えなくなったらどうしよう……」と不安になった方も多かったのではないでしょうか。
気持ちはもちろん、とてもよくわかります。しかし……正直なところ、そんな時どうしても、「ニュースが少し大げさに言いすぎなのではないか」と感じてしまう自分もいるのです。
金利のニュースに限らず、たとえば少し前の報道記事では、「住宅ローンが膨張」「負債額が初めて年収越え」という見出しで、「2023年には調査以来初めて年収より負債が多い状態になった」と伝えていました。
総務省の家計調査報告書(2023年平均結果の概要)によると、平均の負債額が655万円のところ、平均年収は642万円とのこと。考え方としては、家計は赤字ということですよね。
特にペアローンなどで高いローンを組んでる若い世代は、今後少しでも金利が上がったら返済がますます大変になっていきますよ、ということを伝えたいのかな、と思います。
大変な人は報道以前からずっと大変です
確かにそういう面もあるとは思います。
でも家を買ったエリアやローンの枠など、人によって条件はまったく違いますし、私個人としては、ニュースに少しの違和感を持ち、「一概には言えませんが」という注釈をつけたくなってしまう。
実際、こういった報道が世に出た後に、当NPOへの相談件数がいつも連動して激増する……、ということはこれまでほとんどありません。
住宅金融支援機構の調査では、いま、約76.9%の人が変動金利を選ぶそうです(「住宅ローン利用者の実態調査 2024年4月調査」)。これも確か「金利上昇」と絡ませたネットニュースに割と大きく掲載され、取材を受けた「専門家」も、「今後の返済はかなり大変になると思います」と応じたりしていました。
当NPOにも、メディアの方から「金利が上がりますよね。住宅ローンで困っている方はいませんか?」と連絡が来ることはあるのですが……、実際は、大変な人は報道が出る以前からずっと大変ですし、いつも焦っているものなので、私たちは、残念ながら「それが原因でいま困っている方」を紹介することはできません。
大切なことは冷静さと迅速な行動に尽きる
ニュースに焦らせられることもあると思いますが、いつも相談者の方にまずお伝えするのは、「一旦、冷静になりましょう」ということです。
焦る問題が起きても、解決策は必ずあります。
相談者の方のお話を伺った結果、家計の見直しでなんとかなった例もあれば、もちろんもっとヘビーな作戦を練らねばならなかった深刻な例もあります。
でもいずれにしても、とにかく一度冷静になり、極力早めに相談する。この行動こそが肝要だと思って、私はいつも相談者の方のお話をうかがっています。
今回は冒頭の友人の話から、ふと思ったことをつらつらと書いてしまいましたが、ご相談はどんなことでも構いませんので、遠慮なくご連絡ください。
「住宅ローンが払えない」というご相談はもちろん、離婚問題、債務問題、不動産トラブル、投資物件トラブル等、ご相談内容に適したアドバイス、専門家の紹介もすべて無料で行っています。まずは何でも、お気軽にお問い合わせください。
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お悩みを抱える方に、まずは正しい知識を備えていただきたいと思ったのがこの本を書くきっかけでした。また、
・定年後でも住宅ローンが残っている
・定年後に住宅ローンが払えない
・住宅ローンが払えなくなるとどうなるのか
・自宅はあるが老後資金が無く先行きが不安
という方に向けて、解決方法や知識や知恵を詰め込みました。
「55歳から」という年齢をあえてタイトルに入れたのは、定年前の少しでも早いうちに老後に向けての対策を備えたほうがよいという意味を込めています。必ず55歳から、ということではありませんが、早ければ早いほど解決策の幅が広がります。
老後の住宅ローン問題や老後の資金計画に少しでも不安がある方に、ぜひ読んで頂きたいと思います。