「無欲・無気力・無感動で生きる人間がいる 現在 私は18歳」
そんなフレーズで始まる小説があった。
二十歳を過ぎた頃 よく読んでいたものだ。
子供の頃から大人びていた私は そのフレーズが好きで
感銘を受けていたものだ。
この小説は 一人の少年と浮浪者の出会いから始まり
浮浪者の最後を見届ける事を書いてある作品である。っと
言っても 誰も解りはしないだろう。
浮浪者と言っても さまざまの方々が居て
なるべくしてなった方と、なりたくてなった方がいると言うのだ。
庶民であればなる事を嫌い 偉人は一度は経験したいと感じる
のだと言う。
その小説の中では人間たるもの 上もなければ 下もない。
と言うのだ。
(当然の事ではあるが)
しかし 私が考える当然とは一味違っていたのである。
所詮 人間は未完成の動物である為 公正をつかさどる事も
指揮する事もしてはいけないのである。と言う。
だから人間界に於いては決めることが出来ない為
多数決による判定がくだされると言うのだ。
未完成の動物同士が議論を繰り返しても 結果は
出てこないからである。
現在の社会に於いて ほとんどの事が この多数決に
より決められているのである。
逆に考えれば 完成された人間がいるとしたら
多数決ではない 独裁者になるしか生きる道はない。
のである。
橋本 靖彦