総武中央線の電車の中 本八幡駅より乗車した私は 新小岩駅で空いた席に座る事が出来た。
隣の席には 30代の女性。
口をハンカチで押さえ 何か?からの匂いを さえぎるような感じだった。
もしかしたら 俺~? とも思ったが 風呂も入っているし、着替えもしている。
二駅(ふたえき)ぐらい過ぎた頃 私にも 何か普通ではない匂いを感じる事が出来た。
酔った オヤジの吐く息の匂いのような 酒臭い感じだった。
これで 隣の女性はハンカチなんだと解りました。
でも その匂いが誰のものなのか、どこから匂うものなのか 検討もつきませんでした。
一駅過ぎるごとに乗客も入れ替わるのに匂いは変わりません。
周りを見渡しても その匂いを発しているような方も見当たりません。
なぞと疑問を乗せたまま 電車は確実に進んで行きました。
そして秋葉原駅でハンカチの女性は下車していったのです。
その瞬間 匂いは消えたのです。
橋本 靖彦