住宅ローン問題支援ネットの高橋愛子です。
ダブルインカムの世帯が増え、マイホームを夫婦の共有名義で購入する方も増えているのではないでしょうか。
特に最近「パワーカップル」という言葉もあるように、互いの収入を合算してペアローンを組み、
共有名義で住宅を購入する夫婦が増えています。
ただ、共有名義で住宅ローンを組んでいたのに、その後に夫が失踪してしまい、
「夫の分まで全部の住宅ローンを返済していくことができない」
「売却したいが、夫が行方不明で売却できない」
というご相談は実は多いのです。
不動産は所有権を持つ名義人がいないと売却することが出来ません。
この問題は共有名義やペアローンで住宅ローンを組んだ夫婦が、離婚する時にも問題になります。
離婚をする際に、物件を売却してしまえばローンは全て無くなりますが、
どちらか一方が「家に住み続けたい」となった場合で、離婚後もペアローンを継続せざるを得ない場合もあります。
その後、元配偶者がローンの返済を滞納し、連絡するも繋がらず、そのまま消息不明に・・・となった場合も
「売却したくてもできない」
「このままでは競売にかけられ借金が残ってしまう」
という状況になってしまうわけです。
失踪してから生死が7年以上明らかでない場合に「失踪宣告」という制度があります。
失踪宣告が認められると失踪者は死亡したものとみなされ、相続人の手で売却が出来るのですが、
7年という長い年月を住宅ローンを払い続けられない・・ということがほとんどで現実的ではありません。
そうなった場合、どういった解決方法があるのか?まとめてみました。
【とにかく探す】
当たり前ですが、連絡手段をとにかく片っ端からあたってみることです。
本人の実家、友人、勤務先等、とにかく根気強く連絡を取って協力してもらうのです。
家族とは連絡が取れないが、友人なら連絡が取れるということもありました。
「共有名義人が行方不明になってしまった」というご相談の中で約6割は、本人が何とか見つかり解決しています。
【警察に届け出る】
警察に捜索願を出す。
ただし、警察は行方不明者を捜索願を出した人の元に連れて帰ってくれるわけではありません。
成人した大人の場合、自分の意思で行方不明になっていることも多く、警察が連れて帰る権限まではありません。
警察はもし行方不明者を見つけた場合「捜索願が出ている」旨を本人に伝えてくれるだけですが、
捜索願を出した家族には見つけた場所を教えてくれます。
過去に捜索願を出した方で戻ってきたケースもありました。
【不在者財産管理人の選任を申し立て】
原則として、連帯債務の場合、どちらかのローン返済が滞れば、共有名義人が代わりにローンを支払わない限り、物件は競売になってしまいます。
ただ、競売ではなく、任意売却が出来る可能性があります。
それが、不在者財産管理人制度です。
この制度では裁判所に申し立てて、不在者の財産の管理を行う人を選任することができます。不在者と認められるためには、一定期間、消息が分からない状態になっていることが要件となりますので、単に元配偶者の現住所がわからない、連絡をしても無視されるというだけでは認められません。
一定期間とは数か月レベルではなく、年単位であることがほとんどです。
不在者財産管理人には特に資格はいりませんので不在者の親、兄弟などの親族を候補者として立てることができます。
ただし、不在者にとって少しでも有利になるように財産を管理・保全することが役割のため、利害関係人はなれません。
候補となる人がいない場合でも、裁判所が弁護士や司法書士を選んでくれます。
その場合は弁護士等への報酬が必要となります。
【不在者財産管理人が決まっただけでは売却できない】
ただ、不在者財産管理人が決まっただけで任意売却ができるわけではありません。
不在者財産管理人の役割は財産の管理・保全、つまり「不在者が見つかるまで財産を守っておくこと」ですから、
任意売却のように財産の処分をする権限はありません。
ですが、裁判所「権限外行為許可」を申し立てることで、任意売却の可能性が生まれます。
権限外行為の許可は無条件におりるものではないですが、
「連帯債務者の配偶者が行方不明で、このままだと共有物件が競売にかけられ不在者に不利益がある」というケースでは認められこともあるようです。
もっとも注意が必要なのは、手続きに長い期間を要するということです。
不在者財産管理人の選定には4~6か月、権限外行為許可の申し立てにも3か月程度の期間がかかります。
その間に住宅ローンが払えなければ、金融機関から競売申し立てがされてしまうので、時間的に間に合いません。
【不在者財産管理人制度はハードルが高い】
不在者財産管理人制度は、
・一定の期間、行方不明であることが必要
・不在者財産管理人が選任されても売却できるとは限らない
・時間がかかる
・費用がかかる
ので、ハードルが高いです。
大前提で「行方不明者の不動産を売却できる制度ではない」と考えた方が良いでしょう。
【どうしても見つからない場合は?】
共有名義人がどうしても見つからず、物件には住み続けたい場合は住宅ローンを払い続けることになります。
でも住宅ローンが払えない場合は、金融機関に「競売」にかけてもらい、
「競売」という方法で売却をするというのも一つの選択肢です。
現在は、不動産価格が高騰しているため、実は競売市場も高騰しています。
「競売は安く落札されてしまう」というのは一昔前の常識で、今は「競売は高い」場合もあります。
そのため、住宅ローンが払えないのであれば、生活を切り詰めたり他で借金をして払い続けるのであれば、
金融機関に事情を話して競売を進めてもらうのも解決方法です。
競売も不動産売却の方法ですから、落札後にローン返済に充当され、余剰が出れば所有者に配当されます。
所有権が変われば、マンションの管理費や固定資産税もかからなくなります。
ただし、競売にかかってから落札されるまでは14%相当の遅延損害金が残高に対して加算されるので、
借金が増えてしまうリスクはあります。
【このような状況にならないために】
共有名義人とは連絡が取れる関係性を保っておくことが大切です。
また離婚の際、共有名義や連帯債務の関係を出来る限り解消しておくことが将来のトラブルを防げます。
離婚をすることを優先してしまい、住宅ローンのことは簡単な取り決めで終わらせているケースも多いです。
ただ、長い人生、何があるか分からないので、出来る限り金銭的な「円」(縁)も切っておくことをお勧めします。
・共有名義人と連絡が取れない
・不動産名義人が失踪してしまった
・離婚の際の住宅ローンを整理したい
などのご相談、お受けしております。
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